「青空ファインダーロック」をkindle storeで売る

大東京トイボックス」を描いているうめさんから『「青空ファインダーロック」をkindle storeで売りたいんで手伝って〜』と言われて手伝ってきた。Kindleは米Amazonの販売する電子書籍リーダーで,Amazon.comにいくとKindleで読む書籍が山ほど売ってます。Amazon DTP(Digital Text Platform)というのも展開していて,こっちは個人でもテキストをアップロードするとkindle bookに変換してくれて,kindle storeで売ることができる。当初は米国以外の人間が使うにはハードルが高かったんだけど,最近いろいろ条件が緩和されて(ほぼ)誰でもkindle bookを作れるようになりました。とはいえKindleは日本語フォントが無いんで,日本語のテキストは使えない。でもマンガならいいんじゃ?ということでトライしてみることにしました。その顛末はこちら。

日本初? kindleで日本語漫画を出してみよう企画

Amazon DTPは,PDFとかWordとかいろんなデータを受け付けるので分からなかったんだけど,実際の内部構造はhtmlになっている。使える画像データはGIFかJPEG(サイズは1つあたり64KB以下)。図表やチャートならGIF,写真ならJPEGでしょうが,コミック原稿はどっち? このときはよく分からずTIFFで入稿するというムチャをしてしまいました。しかもデータでかすぎ。こういうときはAmazon側で自動的にJPEGに変換され圧縮されちゃう。これを避けるには,最適化は自分でやる必要がありますね。データが大きすぎると価格も2.99ドル以下にはできません。日本から買うときは2ドルよけいにかかる(通信料)ので,結局4.99ドル。読み切りマンガをひとつ買うためには,ちと高すぎる。

AOZORA Finder Rock

うめさんの原稿はもともとPhotoshopの256段階グレイスケールのデータだったので,網点に変換するか適度に減色してGIFにするのが一番いいみたい。いまkindle storeに並んでいる "AOZORA Finder Rock" は,最適化した(Kindleの表現力に合わせて12段階のグレースケールにした)バージョン2のほうです。価格も0.99ドルに下げられたので,日本からは2.99ドルで買えます。ただ,最初のバージョンを買った人に無料でアプデートということが現状ではできない。

他にもCopyrightsページをどうするかとか,まだ課題もあるんですが,とにかくやってみたよ!という報告。
うめさんには取材が殺到したそうな。

【追記】
実はAmazon DTPのデータ(というかkindleのフォーマット)はMobipocketというやつと同じなので,Mobipocket Createrを使ってローカルにデータを作ると調整しやすいのだった。ただうめさんのところは環境が全てマックだったので,Windowsでしか使えないこいつは利用できず。
【追記その2】
ブックマークで教えてもらいました。マック用にはcalibreというツールがあるそうです。

大東京トイボックス(5) (バーズコミックス)

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