娘のために本を作った(そしてルビをふるツールを作った)

ちょっと前に娘を主人公にファンタジー小説を書いた。これを読ませてやりたいと思い、bcckshttp://bccks.jp/)で電書化した。bccksのいいところは紙本印刷サービスがあって、一部から作れるところ。印刷してプレゼントすればいいだろう。ところが、ここではたと困った。娘はまだ小学生で、ルビのない小説は読めない。オイラの書いた小説はこんな出だし。

 ドーマは待っている。タイラヤマのひらべったい山頂にはドーマのほかには誰もいない。背の低いタイライチョウが密集し、タイラクコの紫色の花が咲いている。地面をちょろちょろと走るのはタイラトカゲだ。ときどき上空で笛のような音が響くのはデイビーボーイが通り過ぎたのだろう。ドーマは尻尾をゆっくり振りながらタイライチョウの陰の中を歩いていた。足音はたてない。もうすぐ来るはずだ。

最初に書いたときは想定読者は大人だったから、ぜんぜん子供向きじゃない。しかし今からルビなんかふっていたらいつ終わるか分からない。そこで自動的にルビがふれないものかといろいろ調べたらYahoo!デベロッパーネットワークに「ルビ振りAPI」というのを発見した(http://developer.yahoo.co.jp/webapi/jlp/furigana/v1/furigana.html)。テキストをPOSTするとルビを含んだXMLが返ってくる。そこでそのXMLを解析して、BCCKSのルビ形式に変換するツールを書いた。ものはHerokuに置いてある(http://furi.herokuapp.com/)。一度にたくさん送ると動作がよく分からなかったので、一行ずつ送るようにしたり、ちょっとだけ工夫をして、BCCKS形式、HTML5形式、単にひらくの選択もできるようにしてみた。このAPIはかなり優秀で、文脈でちゃんと読みが変化する。とはいえ手作業で数箇所直しました。

これで元の小説にふりがなをつけて、BCCKSに登録。表紙絵なんかを追加したのがこれ『フミちゃんドリーム』(http://bccks.jp/bcck/111500/info)です。印刷もきれいだし、娘も喜びました。ページ数を4の倍数にしなかったので、最後の方は白紙になってしまい、「ここはメモ」とごまかしました。