ソニーのプロダクトが好きだ。規格ではなく。

ソニー製品は比較的買っている方だと思う。それほど音楽を聞く方ではないが,ウォークマン(カセットテープのやつね)は数台持っていたし(もちろん再生専用モデルのみ),懐かしいカセットデンスケも持っていた。衝撃的デザインの高性能ラジオ「スカイセンサー」も父親に買ってもらった。会社に入ってしばらくすると超小型のCDプレイヤーD-50(当時はCDウォークマンとは言ってなかったな)が出た。新聞でみて,しばらく目が離せないほどのショックだった。何しろその頃のCDプレイヤーは全て一抱えもある据え置き型しかなかった。テレビはずっとソニーと決めている。無論"PROFELL信仰"があるからだ。僕の世代ではピュアオーディオにおいてはソニーは一流にはなれなかったが,映像ではトップを走っていた。ビデオデッキはもちろんソニーのβを使っていた。HF-900とかね。弟には「セブンティーン」を買ってやった。特に撮るものもないのにパスポート・ハンディカムを買い,飲み会に持って行っては酔っぱらいを撮影していた。そうそう初期のサイバーショットを買ったのもこの頃だ。

どれも独自規格なんて使っていなかった。普通のカセットが使えて,普通のラジオ局が聞けて,普通のCDを楽しめて,普通にテレビ番組を観ることができた。それでもそこには「ソニーらしさ」があり,所有する喜び,使う楽しみがあった。サイバーショットも最初のうちはソモリースティックなんて使ってなかったしね。

ビデオの規格戦争に破れて8ミリビデオを作りはじめたころからソニーは新しいプロダクトではなく新しい規格に走るようになる。歩調を合わせるように僕が買うソニー製品も減ってきて,プレステ,プレステ2PSPというゲーム機ぐらいになってしまった。ゲーム機もプレステが登場したときの革新の機運はすっかり影をひそめている。ジョグ付きの携帯電話も止めてしまった。

僕はソニーのプロダクトが好きなのだ。ソニーの規格ではなく。
ぜひソニーには頑張ってほしい。