初心者はいない

http://d.hatena.ne.jp/naoya/20060215
すごく既視感のある議論。すごい昔のね。初代Macintoshの考え方が国内のPCソフトのエンジニアに影響を与えはじめたころ(15年ぐらい前のかな)の議論に似ている。このへんのことはインターネット上に記録がないから「無かったこと」になっているような。

Appleが「ソフトが非常に複雑化してしまい,一人の人間が全ての機能に習熟することはできず,必ず知らない機能がある。だから全ての機能は分かりやすく作らないといけない」と述べたのはHIG(Human Interface Guideline)の中だっけ? バリアフリーが誰にでも快適さを提供するように,Macの掲げたeasy-to-useという旗印は全ての人に使いやすいシステムを目指していた。

Webアプリの登場はUI的には大変な後退だったけど,そのかわりにユビキタスにアクセスできるシンプルなツールの集合体というのネットワークを提供することができた。一度リセットがかかったといってもいい。Webアプリ(はてなとか)の進化の途中で,再びこういう議論が沸き上がってくることは興味深い。Macの例に習えば「"初心者向け"ではなく"使いやすさ"に意識を向けろ」ということなのかな。この2つは似ているけど違う。

話はそれるが,MacのUIの衝撃は凄かったけど,その後の方向には疑問が残る。MacのUIは決してeasy-to-useな方向に向かっていない。むしろ初代UIの呪縛に縛られていて,その中で無理して複雑化しているように見える。これはOSXになっても同じ。マイクロソフトがOffice12で目指しているような新しいアプローチが必要な時期なのか。

追記。ちなみに15年前の経験だと次に来る議論は「アプリのUIは独自であるべきかアプリ間で統一すべきか」ですな。